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唐沢彰太先生の症例発表-プレ人間再生研究会より-脳卒中リハビリルーム さいたま市浦和区で脳梗塞や脳出血後のリハビリを提供しています

右視床出血による空間性失語の障害のより、失行症様の症状を呈した症例


 こんにちは、脳卒中リハビリルームです。

 今回は先日行われたプレ人間再生研究会の復習です。

 唐沢彰太先生が高次脳機能障害についての症例を発表していたのでまとめてみました。

空間性失語


 ・上下・左右・前後・外内のように方向の意味を有する言語。

 ・曲げる・伸ばす・開く・閉じるなどの運動を意味する言語。

 ・関節のように自己空間の意味を有する言語。

 ・空間認識障害を有している場合、特異的に空間性の言語に障害が生じる場合がある。

症例紹介

50代女性 右利き 
右視床出血(発症後2年経過) 
ADL自立 SLB装着・杖使用で屋外歩行自立
IADLは交通機関を使用し自立
HOPE:左手と足の動きを改善したい←曖昧
視床出血 
※画像はイメージです


右半球症状の診方として、注意や言語、空間性を中心に観察と評価を行っていく。

目線に特異性はないか→偏り、注視、追視など。半側空間無視との関連性をみる。

左上肢の管理に問題はないか→上肢の扱い、動作時の上肢の管理など。体の認識障害との関係。

注意障害に特異性はないか→神経心理的観点、注意の偏りなど。上肢の不使用、行為障害との関係。

感覚障害に特異性はないか→知覚処理、重さ、しびれなど。触覚性消去現象、知覚障害との関係。

使用する言語に特異性はないか→身体に関する言語や空間の言語など。パラフレニア、空間処理など


予測される現象 リハビリ室に入ってきた時点での観察(仮説)


外部空間の認識→視線、周囲の環境との距離感

身体認識→身体の動かし方

注意の運用→きょろきょろしていないか

体幹の非正中性→歩行中の姿勢

上肢への意識(情動)→座位時や歩行中の上肢の管理


右視床出血ということから問診や評価していくこと
・半側空間無視の有無
・空間系言語の運用
・運動障害の程度
・感覚障害の程度
・体幹の状態
・感覚フィルターの状態
・疼痛の有無

観察


・きょろきょろはしていないが、歩行中常に足元を見ている。動作撮影時は前を見ることができる。

・座位では左上肢を大腿の上に置くなど管理は良好。

・体幹は左立脚時に左側屈がみられ正中性は乏しいか。

・歩行時には内反がみられ、膝の動きは見られない。また上肢は肘屈曲位。

・礼節は保たれている。

問診


・顔面から左肩甲帯にかけて灼熱痛あり。

・歩行中の内反は自覚があるも視覚性、そのため膝関節の動きなどは自覚はない。

・上肢はほぼ感覚がないと。身体失認様ではないか。

・半側空間無視は当初みられていたが、現在は自覚はない。

・言語は問題ないとのことだが、口周りの動きにくさの自覚はある。

目標設定


「左手を動かせるようになりたい」抽象的
        ↓ 何ができるようになりたいのか?
※日常生活で麻痺側上肢は何ができているのか?
この視点から、もっと何がやりやすくなりたいのかを明確にすることで訓練を開始できる。

料理しているときに物を抑えたい!!

評価


・運動障害の程度→肩関節の運動は外転・内旋がみられるステレオタイプの動き。

・感覚障害の程度→前腕から末梢においてのみ空間定位が難しい。
         複合感覚において形状認知、複数刺激認知低下。
         注意からの影響が強い可能性が高い。

検査


高次脳機能障害
a 失行用の症状がみられている(言語による影響)→機能解離の影響か

a 視空間認知問題ないが身体空間において認知低下

b 運動イメージ能力の低下

c 感覚記憶の保持困難→前頭・頭頂葉の機能低下が考えられる。

身体と運動の言語化

a 「重い」→自動でも他動でも動かしたときに重く感じる。

b 「まっすぐ動いているように感じない」→上肢他動時、水平面でのずれを感じる。

c 「〇〇ができない」→できないことへの執着が強い。

パーソナリティ


a  言語・運動覚ともに運動イメージの想起困難。

b 動作の性急さみられる。

c 身体への注意に優位性見られるも深部感覚への注意の焦点化が困難。

d できたことよりできなかったことの学習が行われやすい

e 自己中心の空間認知の困難さあり

f 主体間にずれが生じている

病態解釈(仮説):テーブルに手を乗せる


a 手部の表象の問題→自分がどう動かしたいのか、どこを動かそうとしたいのかという意図の喪失
          知覚障害にもとづくイメージ想起の問題

b 肩・肘自体の問題→共同運動様の動きがみられる。肩甲帯の著名な代償。

視覚による確認作業が顕著化している。運動学習が起こりにくい状態である。

改善可能性(仮説)


a 空間性言語の認識向上により自己認識能力が向上し学習しやすくなるのではないか。

b 発症から現在までの経過と画像から、早期にリーチングを獲得できるのではないか。

c 空間認知や注意障害などの改善により知覚が向上し動作自体の改善が可能ではないか。

訓練:行為獲得に向けて


a 運動と言語の整合性の獲得

b 自己を中心とした座標系における上肢の位置の認識

c 空間認知課題(視覚と体性感覚の整合性)

d 意図の明確化(身体性の明確化)
             ↓
これらの訓練により、自分の意図に基づいて身体が動いてくれるということの獲得と、フィードバック誤差学習の活用ができることを目指す。

訓練:絵カード
a 運動と言語の整合性の獲得
ある運動をしたときに、どの関節がどのように動くのかを言語化してもらう。
※自分の身体がどのように動いているのかを明確化してもらうために行う。
 →運動学習への準備

訓練:五目版
b 自己を中心とした座標系における上肢の位置の認識
右上肢との比較をすることで体幹の正中性と左手のことを知ってもらう。
               ↓
自分で動かすときに、手のことを知る上で必要な作業

訓練:タブレット
c 空間認知課題(視覚と体性感覚の整合性)
d 意図の明確化(身体性の明確化)
             ↓
実際に自分で動かす段階も加え、「どこにどのように持っていきたいのか」を明確にする。

結果:行為がその人とらしくできるように


a 「重くなくなった」

b 「自分がどう動かしているか分かってきた」

c 「思い通りのところへ手がいくようになった」
        ↓
意図と結果の誤差が軽減したことにより主体間の構築ができた。


感想

 何を観察して、どのように問診、検査、評価をして、目標を明確にしてからどのような訓練をするか。
 
 自分が行うことを明確にすることで、時短になり、余裕につながるかと思います。

 症例発表は、自分が経験していないことをあたかも経験したように感じられるものだと思います。

 このまとめから臨床でもどのように行っていけばいいのかを考えていければと思います。

 最後までお読みいただきありがとうございました。
 脳卒中リハビリルームでした♪───O(≧∇≦)O────♪







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