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高次脳機能障害と理学療法 脳卒中リハビリルーム さいたま市浦和区で脳梗塞や脳出血後のリハビリを提供しています

高次脳機能障害と理学療法 脳梗塞 脳出血 くも膜下出血など


こんにちは、脳卒中リハビリルームです。

今回は3コマ目。

テーマは高次脳機能障害と理学療法です。

高次脳機能障害があるとなかなかリハビリが思うように進まないかもしれません。

それに対してどのように考えることができるのか。

それがこのコマで分かるのか。どうでしょうか。

文章だけでは分かりづらいと思います。

傍らに脳の模型や本を置いてお読みいただけたら幸いです。
brain-312007_640.png 

認知心理過程


環境適応→行動→結果→記憶→学習
↑             ↓   
↑ ←  ←  ←  ←  ←

   環境適応
     ↑
    行動
 位置 姿勢 操作

高次脳機能障害の評価要素


情報収集 行動観察 神経心理学的検査 問診・会話 評価的介入

脳の認知処理過程

意識-上行性網様体賦活系

脳内リズムを基盤としている。

外部・内部環境により修飾される。

視覚情報 網膜から一次視覚野

視床外側膝状体から一次視覚野へ。

視覚情報の3つの経路

背背側路How系 無意識の行為 上頭頂小葉へ位置・形・運動の分析(無意識行為の形成)

腹背側路Where系 存在  下頭頂小葉へ外部座標や動きの識別

腹側路What系 意味 側頭葉下面へ物体識別

体性感覚情報

視床腹外側核から一次体性感覚野へ。

単純情報は視床内側核から辺縁系や大脳に刺激として送られる。

視覚情報と体性感覚情報の統合


上頭頂小葉では視運動協応と自己身体定位を形成する。

頭頂間溝では到達動作や把握動作の方向性と形状が決定される。

聴覚情報

音の方向が上へ
音の内容は下へ

側頭葉における視覚情報と聴覚情報の統合


側頭極では感覚種を超えた意味記憶が形成される。
音の内容を識別する経路+腹側路What系(意味)

頭頂葉における多感覚情報の統合

角回では言語や認知など多くの処理が行われている。
左半球の損傷で、ゲルストマン、観念失行、失読、健忘失語

右半球の損傷で、半側空間無視

感覚能と運動脳の連絡

後部脳での感覚統合情報は皮質下繊維により前頭葉に送られる。

頭頂間溝-腹側運動前野の視覚情報連絡

・視覚は手の構えをつくるために補足運動野、運動前野と相互に作用する。
・頭頂葉は4領域に分けられ、個々の運動系に適した方法で視覚を解析し、それぞれの運動をコントロールする運動前野に投射している。

高次運動野から一次運動野への投射

補足運動野→複数の動作の順序を記憶してその順序通りに動作を行う(記憶誘導性)

運動前野→視かう情報を行うべき運動へと結びつける連合過程(視覚誘導性)

左右の機能差

言葉にしやすい左脳-論理的・言語・直観・少量受領 物品→文字

言葉にしにくい右脳-情緒的・イメージ・全体・大量受領 風景→顔


半側空間無視


・病巣と反対側に注意が向かない
・病巣側空間に注意が引き付けられる
・視空間に限らない
・右半球損傷による左空間無視が多い
・必ずしも半側ではなく勾配をもった一側

半側空間とは?


遠位・近位外空間

対象空間 個体周辺空間

身体空間 個体空間

自己中心参照枠VS他者中心参照枠 体幹中心VS頭部中心VS視野中心

注意


注意とは
同時にさまざまに存在する外的あるいは内的な情報の中から脳が処理するものを選択して焦点を合わせる機能

空間性注意とは
外界と個体との関係の中で意識を適切な対象に集中し、又は移動していく機能。

注意の制御


顕著性刺激saliency →目立ったものに注意が向く    課題関連性刺激task-relevant→何かを探す
・刺激駆動性                 ・目的志向性
・ボトムアップ制御              ・トップダウン制御

空間性注意の神経ネットワーク


表象地図   後部頭頂葉        前頭眼野  探索的眼球運動制御
の形成      ↓  ↓     ↓   ↓
          ↓ 視床 線条体   ↓  
           ↓  上丘    ↓
覚醒レベルの制御    ↓      ↓ 
              帯状回-----発動性の制御  
               ↓
             網様体賦活系

なぜ左無視が多いのか


・右半球は左右両側性の空間性注意を制御するが左半球は右側空間のみ制御する

・左右半球はそれぞれの反対側空間へ注意を向けるが左半球の方がその傾向が強い

注意ネットワークモデル


背側注意ネットワーク
 刺激や反応に対する目的志向性トップダウンの選択を準備し適応させる。また刺激発見によって調整される。
     前頭前野   → → →  頭頂間溝 角回 V3A MT野
     下前頭接合部

腹側注意ネットワーク
 ほぼ右半球に側性化し、行動関連刺激、特に顕著なものや予期しない刺激の発見ボトムアップに特徴的に活動する。また背側システムへのサーキットブレーカーの役割を果たし顕著な事象への注意方向付けを行う。
       縁上回   → → → 下前頭接合部
       上側頭回        下前頭回

病巣部位による無視のタイプ


下頭頂小葉損傷:知覚/視空間障害

側頭葉深部:第三者的/物体中心無視

背外側前頭前野:探索/視運動障害

脳室周囲白質繊維(上縦束)が損傷すると無視は重度

半側空間無視の評価


末梢試験 線分二等分試験 模写試験 描画試験

無視の評価ADL


Catherine Bergego Scale
1 顔の左側を洗ったりひげを反るのを忘れる
2 左の袖を調整したりスリッパをはくのが難しい
3 お皿の左側のものを食べ忘れる
4 左側の歯を磨き忘れる
5 左を向きにくい
6 体の左側を忘れる
7 左側から来る人や物音に注意を払うことが難しい
8 ドアや家具など左側のものや人にぶつかる
9 よく知っている場所やリハビリ病棟内で左方向に向かうことが難しい
10 部屋や浴室で左側にある自分のものを見つけるのが難しい

・観察評価法と自己評価法で構成される 得点は割愛

半側空間無視の予後


無視は12週まで改善に大きな変化がみられる。
発症後1か月以上残存するとADL阻害因子になる。

全般的環境刺激による神経ネットワークの再構築

早期の立位・歩行練習

受動的トレーニングとしてのボトムアップアプローチ
・体幹の回旋
・プリズム順応法
・視運動性刺激
・前庭刺激

能動的トレーニングとしてのトップダウンアプローチ
・視覚走査トレーニング
・メンタルイメージ 
 視覚イメージ課題-自宅の部屋の家具の説明・日常通る道の説明・単語を反対から読むなど
・運動イメージ課題-姿勢イメージ 3つ以上の姿勢を覚え1つを再生 運動イメージ 記憶と再生
・フィードバックトレーニング-水平棒を持ち上げる
・サイドミラーアプローチ

プッシャー症候群

矯正への抵抗を示す麻痺側への体幹傾斜

プッシャー症候群の臨床的症状


・他動的姿勢矯正に対する抵抗
・麻痺側への自発的傾斜姿勢
・非麻痺側上下肢の外転・伸展によるプッシング力の増大
・身体的垂直定位の非麻痺側傾斜
・麻痺側への転倒恐怖感なし

姿勢傾斜をきたす他の類似症候群


・感覚系障害 坐骨、足底の荷重感覚低下

・出力系障害 麻痺側筋緊張の低下 可動性の低下

・反射系障害 立ち直り反応の障害 ATNR

・認知系障害 身体図式の再学習未達 空間認知障害 視床性失立

心理面 転倒恐怖感による非麻痺側上肢過剰使用

プッシャー症候群のメカニズム


主観的身体垂直定位が非麻痺側に傾いている
      ↑ 
      ↓
  視覚的垂直定位は正常
      ↓
    誤差を修正
  身体の主観的垂直軸を視覚的な垂直軸に合わせる

第2重力系の存在

重力知覚システムは体幹姿勢に関する求心性入力→体幹の器官が起源
・鳩での存在が認められている ヒトでは腎臓からの腎神経を介したもの

・横隔膜神経又は迷走神経を介した質量慣性感覚入力

・体性感覚はこれに関与しない

・視覚は身体垂直知覚の起源とはならない

プッシャー症候群の評価 

Scale for Contraversive Pushing SCP


プッシャー症候群の治療 視覚的手掛かり


・直立姿勢の認知的ゆがみを理解させる

・視覚的に身体と環境との関係を認知させる

・治療者によって視覚的手掛かりを付与する

・その手掛かりによって直立肢位を学習する

。他の動作中も直立肢位を維持する

プッシャー症候群の治療 支持環境の変化


・健側上肢を前方のテーブルなどに乗せる

・座位で非麻痺側上肢の肘を座面に着くようにする

・不安定な支持棒を把持しての立位練習

・平行棒を通常より高くする。

・杖歩行の場合は少し前方に出すように指導する

前頭葉症候群

内側面の障害により
・運動の開始と維持の障害
・行為の抑制障害(把握現象・運動保続など)
・行動の抑制障害(利用行動など)

背外側面
・遂行機能障害

補足運動野
・自発動作の開始遅延
・両手強調動作の障害
・同時進行動作の障害

運動前野
・熟練した運動の障害
・心的表象の障害
・視覚情報による運動の構成と誘導の障害

前頭葉機能障害の評価


遂行機能障害の代表的評価法

・認知の柔軟性-ウィンスコンシンカードソーティングテスト

・流暢性-文字流暢性 意味流暢性

・ワーキングメモリ リーディングスパンテスト 

・展望記憶

・問題解決 ロンドン塔 ハノイの党

失行


学習された意図的行為を遂行する能力の障害

運動麻痺、感覚障害、言語機能障害、認知機能障害がないにもかかわらず、使い慣れた日常品や道具を使用するなどの、習熟していた動作が出来なくなってしまう状態をいう。

あるいは、運動障害や感覚障害があってもそれらの障害だけでは運動や動作・行為の困難さや誤りを十分に説明できないと判断される場合は失行が疑われる。

失行の検査バッテリー


・標準高次動作性検査
・WAB 失行症検査の行為下位検査

行為の誤反応


・保続 前の課題の動作が繰り返される
・有関係 ラッパを吹く代わりにトロンボーンを吹く身振り
・無関係 髭剃りの代わりにラッパを吹く身振り
・手の代用 道具を使用しない動作のふりをする
・順序 付加、脱落、置き換えなど順序の混乱
・タイミング 速すぎ、遅すぎ、一定しない
・回数 鍵を開ける動作の繰り返し、ねじ回しが一回で終わる
・振幅 身振りに特徴的な動作の振幅の増大、減少、不規則化
・持ち方 道具との関係から適切な手の配置
・BPT 身体部位を道具に見立てて使用 Body part as tool
・外的形状 道具の形状に適切な位置に動かせない
・運動 適切な身体の使い方の誤り
・有形化 道具を本来の対象以外のものへの使用
・無反応
・特定不可能な反応

観念運動失行は運動予測の破綻?

2018 信迫の論文より


以上になります。

最後までお読みいただきありがとうございました。
脳卒中リハビリルームでした(○・_ゝ・○)ノ








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Author:脳卒中リハビリルーム
身体が変われば心が変わり、そして世界の見え方が変わっていきます。自分のやりたいことを自分で実行ができるようになりたくないですか。脳梗塞・脳出血などの後遺症に対して、学びのあるリハビリによって何年経っていても身体は確実に変わります。歩きづらさや手足の動き、痛みやしびれなど脳卒中の後遺症に対して自分の身体を知ることが解決の糸口となります。
さいたま市浦和区で理学療法士が保険外でリハビリを提供しています、脳出血リハビリルームと申します。
当施設でのリハビリは痛い・辛いということはなく、楽しく・笑顔で行えることを大事にしています。
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詳しくは認知神経リハビリテーション学会のホームページをご参照いただければ幸いです。

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